一般的に、知的財産権での製品保護といえば特許権の取得だと考えられており、初めから意匠権の取得を検討されている方は限られていると思います。 しかし、効果的な製品保護のためには、特許権だけでな く、意匠権による保護も視野に入れることが重要で す。 このため、知的財産権での製品保護は、意匠権と特許権をミックスした保護をすべきです。すなわち、技術保護を意匠権で補完するのです。技術的アイデアが…
ご承知の通り、中国では、第三者が海外のブランドなどと同一類似のものを商標出願・登録するケースが見受けられます。 特許や意匠といった創作物とは異なり、商標は選択物なので、たまたま他人のブランドと同じものを選択した結果かもしれません。 しかし、中には悪意を持って、他人のブランドなどを先取りして商標登録しているケースもあります。 特に商標ブローカーにより、使用する意思がない商標を他人に先駆…
IDSの概要 アメリカに特許出願をすると、情報開示義務が課せられます(米国特許規則§1.56(a))。 すなわち、アメリカの出願人およびその手続に関与する人(代理人を含む)は、特許発行までの間、その出願の特許性に関して重要な情報を、アメリカ特許庁に提出しなければなりません。 例えば、日本の拒絶理由通知で先行文献が引用された場合、その先行文献がまだアメリカの審査で挙げられていなかったな…
(1)新規性喪失の例外規定とは 発明について特許を受けるためには、その発明が新規性を有している必要があります(特許法第29条第1項)。発明の内容を公に発表したり、発明に係る製品を販売する前には、原則として特許出願を完了しておかなければなりません。 しかしながら、すでに新規性を喪失した発明であっても、一定の要件を満たせば例外的に新規性を失っていない状態として取扱うことで、発明者やその発…
知財ミックス戦略とは、ある製品やサービスを複数の種類の知的財産権(特に産業財産権である特許権、実用新案権、意匠権、商標権等)で多面的に保護する戦略のことを指します。ここでは、スマートフォンを例に挙げて説明します。 スマートフォンには、様々な知的財産権が関与しています。例えば、下図に示すように、通信技術に関する発明は特許権で、携帯性の向上に係る考案は実用新案権(特許権でも保護可能)で、…